【トライアルプロジェクト】Rolous小学校での歯科検診を開催しました。
2024年11月23日に、Brush ASIAはカンボジア政府保健省と協力し、Rolous小学校にて歯科検診及び歯磨き指導を行いました。
カンボジア市内から18kmに位置するこの公立小学校は、500名程度の児童を抱えています。上下水道だけではなく井戸も存在しない校内ですが、子どもたちは満面の笑みで遊んでいました。
貧困層の家庭が多く、スラム街でゴミを拾い生計を立てる両親が多いことから、1年で2割程度の小学生がドロップしていきます。
今回の当校での虫歯予防プロジェクトは、トライアルとして1年生86名(9月より新2年生)を対象に、歯科検診及び生活環境のヒアリング、そして全児童への歯磨き指導を行ってきました。
当日はお休みの児童を除く(親の都合で休む子が多いとのこと)66名を対象に歯科検診を行いました。
検診を行うと、ほとんどの児童の歯が虫歯に侵されており、数字で見る以上に虫歯が猛威を奮っていることがわかります。
中には虫歯が進行して根が膿んでいる子も多数見られました。
また、愛知学院大学の研究内容を元に生活背景の問診を、カンボジア歯学部生の支援を受けながら行いました。
日本から参加した歯科衛生士2名により、全校全クラスにて歯磨き指導を行いました。
歯の磨き方だけではなく、おやつの時間を決める大切さなどをオリジナルの紙芝居を使って指導しました。
歯磨き指導とともに、歯ブラシ500本(株式会社タナベ様ご協賛)及び歯磨き粉500個を直接子供達にお渡しし、必ず歯磨きをすることを約束してきました。
しかし、カンボジアのどこの小学校にもあるように、当校にも校庭にお菓子屋さんが存在し、甘い飲食物から距離を置くことが難しい環境です。
また、歯磨き粉をすぐに開けて食べてしまう子がいるなど、その指導・教育もまだまだ不足していると感じます。
こうした予防活動は、単発ではなく、継続して行い、プロジェクトの結果を研究として発表し、政府主導で仕組み化して国内で広げることが必須だと考えています。
今回も政府役人が2名同行していただき、新政府下での若きお役人たちの「この国を良くしたい」という意識や情熱を感じます。
今回はトライアルプロジェクトであり、今後は正式なプロジェクトを開始すべく、カンボジア政府保健省とMOU(合意書)を交わすために議論を進めてまいります。
子どもたちの無邪気な笑顔に癒されながら、改めてこの子たちの歯を将来にわたって守っていきたいと感じます。
今回の検診でも実感しましたが、まだまだ人材、資材が不足しています。
今後ともご支援賜りますよう改めてお願い申し上げます。